死刑囚の最期

死刑囚の最期

世界の死刑制度について

先進国グループであるOECD(経済協力開発機構)加盟国(34か国)のうち、死刑を存置して いるのは、日本・韓国・米国の3か国だけである。

しかし、韓国は1997年12月30日に23人を死刑執行して以降は死刑が行われておらず、事実上死刑廃止国として扱われている。

OECDに関わらず世界で見ると死刑制度が存置しているのは、日本やアメリカ、中国など55か国である。

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日本の死刑について

死刑の対象となる犯罪

犯罪名内容刑罰
内乱国家転覆を目的として暴動を起こす犯罪首謀者:死刑または無期禁錮
外患誘致外国と共謀し、日本に対して武力行使を誘発する犯罪行為死刑のみ
外患援助日本国に対して外国から武力行使があったときに、その外国に加担して軍事上の利益を与える犯罪死刑または無期懲役、もしくは2年以上の懲役
現住建造物等放火人が住居に使用していたり、人がいる建造物などを焼損させる犯罪死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役
激発物破裂火薬やボイラーなどの「激発物」を破裂させて物を損壊する犯罪損壊された物によって異なる。例えば現住建造物を損壊した場合…死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役
現住建造物等浸害出水させて人が住んでいる建物や、人がいる建物、列車、鉱坑などを水浸しにする罪死刑または無期懲役もしくは3年以上の懲役
汽車転覆等及び同致死汽車転覆・艦船転覆等罪を行った結果、人が死亡する犯罪死刑または無期懲役
往来危険による汽車転覆往来の危険を生じさせる行為の結果、汽車や電車が転覆または破壊される犯罪無期懲役または3年以上の懲役
水道毒物等混入及び同致死水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源に毒物その他人の健康を害すべき物を混入する犯罪死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役(20年以下)
殺人人を殺す犯罪死刑、無期懲役、または5年以上の懲役。有期懲役は原則として20年が上限で、5年以上20年以下の範囲で懲役刑となる
強盗致致死傷強盗行為の際に被害者を負傷させたり、死亡させたりする犯罪死刑または無期懲役
強盗・強制性行等及び同致死強盗が強制性交等をし人を死亡させる犯罪死刑または無期懲役刑

永山基準

死刑判決の基準には、永山基準と呼ばれるものがある。

永山事件は当時19歳の少年が4人を殺害し死刑になった事件
この基準では、被害者数が判断基準の一つとなっている。
裁判員裁判でも死刑判決は永山基準で判断されていて、犯人が未成年で被害者が3人以上で死刑判決となるのが相場とされているが、今見直しを訴える声もある。

犯人が成人していている場合、2人以上殺害した場合に死刑の判決が下されることになっているが事件の内容が極めて悪質な場合、被害者が1人であっても死刑が求刑され、判決が下されるケースもある。

死刑方法と執行について

日本の死刑方法は絞首刑である。

死刑の執行命令は判決確定の日から6ヶ月以内にしなければならないと明記されているが、再審請求中や冤罪の疑いがある場合は執行されない。
そして法務大臣による執行命令が出ると執行命令から5日以内に刑を執行しなければならない。

執行の告知

1970年代ごろまでは前日までに本人に告知されていたが、死刑囚の自殺などの事件をきっかけに執行の1時間~2時間前になった。

恩赦とは

天皇陛下の結婚や即位など、国の慶事に合わせ、政府が、罪を犯した人に対して、その刑を軽くしたり消滅させたりして社会復帰を促進しようとする制度のこと。内閣が決定し、天皇が認証する。

どんな時に?誰が減刑される?

天皇陛下の即位に伴い行われる「即位礼正殿の儀」に合わせ、政府は、およそ55万人を対象に恩赦を実施することを閣議決定した。
重大犯罪を含む懲役刑や禁錮刑となった人は除き、恩赦の種類も制限された資格を回復する復権のみ大犯罪を含む懲役刑や禁錮刑となった人は除き、恩赦の種類も制限された資格を回復する復権のみ)
誰が恩赦を受けたのかは一切明かされない。
死刑囚が無期懲役に減刑された例もある。

死刑執行の流れ

死刑執行当日の午前9時ごろ
死刑囚に対して死刑執行することが告げられる。
刑務官が行う。

そのまま出房し刑場に連行される。
刑務官が行う。

東京拘置所の刑場は下の画像のようになっている。

死刑執行まで1時間ほどの猶予が与えられ、教誨室で執行の時間まで過ごす。
・教誨師と会話
・祈りをささげる
・遺言を書く
・お菓子を食べる
・喫煙 など

執行室とカーテンで区切られた前室に連行される。刑事施設の長により死刑執行命令が告げられ、刑務官により目隠しと手錠をされる。

執行室の踏み板に立たされると、足を拘束され、首に絞縄(ロープ)がかけられる。
執行室はガラス張りで検察官などの立会人がいる立会室から執行の様子をみることができる。

準備が整うと、別室にある3つのボタンを3人の刑務官が同時に押す。どれかひとつが踏み板と連動しており、ボタンを押すと踏み板が外れ、死刑囚の身体が執行室の階下に落下する。
刑務官が行う(手当は手渡しで2万円)

執行後、医官が死亡を確認する。
死亡を確認してから5分経過しないと絞縄を解くことはできない。
絞首刑で死亡するのに平均15分と言われているので、約20分はそのままの状態である。

死刑執行については、当日に法務省から発表されテレビなどで報道される。

被害者の遺族などからの「死刑執行をニュースではなく法務省から通知してほしい」という要望に応える制度がある。

執行後は絞縄を解き、検視後に湯かんをして、宗教に合わせた装束を着せ納棺する。
別室で簡単な葬儀を行う。
刑務官が行い、葬儀の立ち合いもする。

出棺の際は刑務官が整列して敬礼で見送る。

遺体は遺族が引き取り、葬儀・火葬をするが、遺族が引き取りを拒否したり、遺族がいなかったりする場合は、国が遺骨焼却をして寺などに埋葬する。

抵抗する死刑囚

執行の告知を受けた瞬間は恐怖に硬直するが、やがてそれを受け入れ最期を遂げると言われているが、抵抗する死刑囚も存在する。

永山則夫の抵抗

永山は独房から「面会だ」と呼ばれて出房させられた。
廊下へ出てから多数の刑務官に取り囲まれたことで刑場に連行されることを悟り、激しく暴れた。
しかし刑務官たちに制圧され、10時過ぎに首にロープを巻かれた状態で絞首刑を執行され、同日10時39分に死亡した。

本来は死刑執行後、遺体を遺族や身元引受人に引き渡すが、拘置所は引受人である弁護士に遺体を見せず火葬し遺骨を引き取りに来るよう通知した。
これは永山が激しく抵抗し、死刑を執行される前の時点で流血し、激しい暴行を受けたことで無残な姿になっていたため、その証拠を隠滅するために遺体を焼却されたと言う元刑務官もいる。

死刑を語る無期懲役囚

収監中に獄中死などを見てきた無期懲役囚は、生きて社会に戻りたいと生への執着を語る。
今、生きているという事。死刑ではない事に感謝する囚人もいる。

無期懲役囚、死刑の次に重い刑罰だがその差はとてつもなく大きい。