宮崎連続強盗殺人事件
松田康敏(事件当時33歳) 無職
パチンコやスナック通いで消費者金融会社に多額の借金があったため生活費に困り起こした独居女性を狙った連続強盗殺人事件。
11月20日、
宮崎市内の民家に侵入し、現金約1万円が入った財布1個を奪った。
11月25日午後3時頃、
宮崎県西都市のスナック女性経営者(当時53)方に無施錠の台所窓から侵入。
翌日午前0時頃、
スナックから帰った女性を包丁で刺した後、首を絞めて殺害、現金37000円が入った財布入りのバッグを奪った。
松田被告は9年前に女性のスナックでアルバイトをしていた。
11月29日から12月5日の間、
宮崎県の民家に侵入し、現金11000円を盗んだ。
西都市内に置き去りになっていた時価1万円相当の自転車1台を盗んだ。
宮崎県の工務店現場事務所に侵入して、時価約6000円相当の靴1足を盗んだ。
宮崎市内の民家に侵入し、インスタントラーメン等を盗んだ。
12月7日午後、
国富町の雑貨店女性経営者(当時82)方に侵入、女性の首を絞めて殺し現金約63万円とセカンドバッグを奪った。
盗んだ金は遊興費に充てられた。
12月11日、
指名手配中のところを逮捕された。
裁判
一審弁護側は「計画的ではなく、劣悪な家庭環境が人格形成に悪影響を及ぼし、物事の認識能力も低い」として無期懲役を求めていた。
小松裁判長は「被告は過去四回、窃盗罪などで実刑判決を受けたが何ら矯正されず、更生が極めて困難な状況にある」と指摘。
「不遇な生育歴、被害者の遺族へ謝罪の手紙を出すなど真摯な態度などを最大限考慮しても、被告の罪は重大で、量刑均衡の見地などから極刑はやむを得ない」と述べた。
控訴審でも弁護側は、松田被告が家庭環境に恵まれなかったことや、犯行当時、飢えと寒さで追いつめられていたことなどを訴え、減刑を求めていた。
岡村裁判長は「短絡的かつ身勝手で、動機に酌量の余地はない。
一審判決が重すぎて不当であるとはいえない」と述べた。
最高裁弁論で弁護側は、「二件とも最初から殺害するつもりはなかった」などとして死刑回避を訴えた。
最高裁は「わずか18日の間に、遊興費などを得る目的で2人を殺害した」と指摘。
「凶器を持って侵入し、長時間被害者の帰宅を待ち伏せるなどした計画的な犯行で、強固な殺意が認められる」
「犯行の動機や経緯に酌むべき事情は見いだし得ない」と述べた。
2012年3月29日 松田康敏‐死刑執行
死刑囚の描いた画集。
和歌山毒カレー事件の林眞須美、痛車塗装経験を活かした作画の強盗殺人犯・若林一行、秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大をはじめ42人の作品を収録。
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