【虚勢で強盗殺人に発展】闇サイト殺人事件 母親のために貯めたお金を守るべく娘が咄嗟についた嘘【この国の司法に社会正義が見いだせない】

【虚勢で強盗殺人に発展】闇サイト殺人事件 母親のために貯めたお金を守るべく娘が咄嗟についた嘘【この国の司法に社会正義が見いだせない】

事件概要

発生日時2007年(平成19年)8月24日 から25日にかけて
発生場所愛知県名古屋市周辺
内容インターネットの闇サイトで知り合った男3人組が、
磯谷利恵さんを強盗目的で拉致・監禁のちに殺害した。
被害者磯谷利恵さん(当時31歳)
犯人神田司(かんだ つかさ 当時36歳)
堀慶末(ほり よしとも 当時32歳 本名:金 慶末)
川岸健治(かわぎし けんじ 当時40歳)
判決神田司 死刑
堀慶末 死刑(本件では無期懲役だが別件で死刑判決)
川岸健治 無期懲役

犯人たち

川岸健治

川岸健治(当時40歳)かわぎし けんじ
・自首
・一審で無期懲役
・控訴審で無期懲役が確定
・受刑中
・本事件以前に、闇サイトを利用したオレオレ詐欺事件に関与して、2005年(平成17年)7月に詐欺罪で懲役1年2月・執行猶予4年に処されている過去があった。
・本事件での闇サイトで最初に呼び掛けを行った。

神田司

神田司(当時36歳)かんだ つかさ
・一審で死刑判決
・控訴を取り下げ死刑確定
・2015年6月25日 執行
・44歳没
・2006年(平成18年)3月、闇サイトを悪用した詐欺事件で懲役3年・執行猶予5年に処された過去がある。

堀慶末

堀慶末(当時32歳)ほり よしとも
本名:金 慶末(在日朝鮮人名)
・一審で死刑判決
・控訴審で無期懲役
・上告審で無期懲役が確定
・別件で殺人を犯している事が発覚しその事件で死刑が確定
・未執行
・付き合っていた女性の金を使い込み追い出され、別の女性宅に住んでいた。そのため30万程の返済に困っていた。

被害者

磯谷利恵さん

磯谷利恵さん(当時31歳)いそがい り
・名古屋市千種区の派遣社員
・母子家庭で母親・富美子さんに育てられる
・父親は急性骨髄性白血病のため利恵さんが2歳になる前に亡くなった。
・母親に家を建ててあげたいと節約してお金を貯めていた。

闇サイトで出会った犯人たち

3人は携帯サイト「闇の職業安定所」で出会った。
最初に書き込みを行ったのは川岸だった。

川岸は1999年頃には瀬戸市で分譲マンションを購入し家族で暮らしていたがローンや税金が払えなくなり家族は離れていった。
詐欺罪での逮捕後は派遣社員として勤めていたが、会社を通して購入したワゴン車の借金を踏み倒し、車ごと消えた。

そして愛知県内を車上生活をしながら点々とし、闇サイトに山下という偽名でカキコミを行った。

「裏の仕事をやりませんか」

集まった3人

堀と神田やその他が反応したが川岸は3人を選んで返信した。
(そのうちの1人は殺人事件が起こる前に抜けている)

3人はこれまでの犯罪歴や暴力団との関わりなど虚偽も交えて虚勢を張って話していた。そして強盗や脅迫などの計画をいくつか立てるが、すべてうまくいかなかった。
すると神田が「だったら若い女を拉致・監禁してキャッシュカードを奪い、暗証番号を聞き出して金を引き出そう。最後は殺してしまえば良い」などと提案する。

事件当日

堀が「今週中に30万円ぐらいどうしても必要だ」と発言したことから、女性を拉致して金を奪う計画が具体的に動き出す。

神田が「最後は殺しちゃうけど、いいよね」と確認したところ、2人とも「いいですよ」などと言って了承した。

川岸・神田・堀の3人は名古屋市北区内のファミリーレストランへ入店、計画について話し合った。
標的は「黒髪で地味そうな女性で、年齢は20歳代後半から30歳代前半ほど」だった。
理由は「貯金をしていそうだから」である。

拉致

ファミリーレストランを退店した3人は女性を物色。
8月24日23時頃
利恵さんが車の前方から歩いてきたため、車をUターンさせて尾行し追い抜いたところで車を停車させた。

堀が後部ドアを開けて降車し利恵さんに道を尋ねるふりをして、背後から近づき口を右手で塞ぎ、背後から抱きかかえるようにし後部座席のスライドドアから車内に押し込んだ。

手には手錠をかけ、口には粘着テープを貼った。

日をまたいだ8月25日0時頃
利恵さんが「吐きそう」と言ったため愛知県愛西市の屋外駐車場に停車した。
そして現金(約62,033円)や、キャッシュカードなどを奪いキャッシュカードの暗証番号を教えるよう迫った。

その際に山岸はわいせつな行為をしようとして神田は不快に思っている。

嘘の暗証番号

利恵さんがキャッシュカードの暗証番号をなかなか言わないので堀は包丁を見せ「5分で(暗証番号を)思い出さないと刺しちゃうぞ」などと脅している。

しかしその後も利恵さんは暗証番号を口にしなかった。

実は利恵さんの通帳には母親に家を建ててあげたいという思いで貯めた890万円が入っていた。
このお金だけは盗られたくないと固くなに口を閉ざしていた。

堀は怒りを表し太ももを刺す素振りをしながら更に脅迫した。
そして利恵さんは「2960」と嘘の暗証番号を教えた。

山岸の強姦未遂①

暗証番号を聞き出した後、堀は神田とともに喫煙のため車外に出た。
その際に山岸は利恵さんを強姦しようとしている。
「キャー!」という声で堀と神田が車内に戻り、山岸を制止した。

山岸の強姦未遂②

堀と神田は、山岸が強姦を諦めたと思い再び車外で話し合いを始めた。
するとまたもや悲鳴が聞こえた。今回は神田が一足早く車内に戻り、山岸を制止した。

殺害

神田が利恵さんの背後から首に腕を回して絞め付けたが失敗。
堀は綿ロープを利恵さんの首に巻きつけ、その片端を山岸に渡し、2人で両端を持って絞め上げたが上手くいかなかった。
そこで堀はハンマーで利恵さんの頭を3階殴った。

頭を殴られた事で一気に力が抜けた利恵さんだったが、しばらくしてから「殺さないで、殺さないって言ったじゃない」「お願いします、殺さないで、死にたくない」などと必死で命乞いをした。

しかし、堀は懇願を無視。
神田とともに、利恵さんの顔と頭に粘着テープを縦横に数十回貼り付けた。
さらに利恵さんの頭部にビニール袋を被せて首まで覆い、その上から粘着テープを多数回巻きつけた。そして、最後に神田が利恵さんの首に綿ロープを巻きつけて絞め付けた上、頭部を金槌で約30回殴打し、殺害した。

遺体を岐阜県の山へ

利恵さんの遺体は岐阜県瑞浪市稲津町小里の山林に遺棄された。

金の引き出し

利恵さんから奪ったキャッシュカードで預金の引き出しを試みたが、「2960」や「2946」の暗証番号を入力しても合致しなかった。さらに別のカードなどを使用し、「2960」や利恵さんの生年月日に由来する番号で引き出しを試みたが、いずれも失敗に終わった。

再び拉致の計画を立てていた

金の引き出しが失敗に終わったことで、3人はその日の夜に再度女性を拉致し、暗証番号を聞き出し殺害することを決め、解散している。

山岸の自首

同日の13時30分
山岸は自ら愛知県警察本部へ電話を掛け、「女性を拉致して金を奪い、岐阜県に埋めた」と自首。
そして共犯がいるという供述をもとに、3人の身柄を送検した。

山岸は死刑になるのを恐れて自首したとみられる。

神田は「人を殺した以上、金を払ったり、謝ったりしても、責任を取ったことにはならない。それが犯罪者である自分のルールである」「自分は他人が作った法律ではなく、作ったルールに従って生きる。殺人に抵抗感はない」と供述した。
さらに、自首をした山岸を恨み「山岸が利恵さんを乱暴しようとしておきながら、自首して責任を逃れる態度は不満だ」と述べた。

起訴後に精神不安定

神田は起訴後、精神不安から体調を崩し、自室で首吊り自殺を図った。
山岸も体調を崩し、精神安定剤を必要とするようになっている。

司法の壁と署名活動

3人を死刑にして欲しいと願った磯谷さんだが司法の壁が立ちはだかった。
それは永山基準の「強盗殺人の場合、2人以上の被害者は死刑。1人の殺害では無期懲役が妥当」だった。磯谷さんはこの“永山基準”に納得できず、事件から4カ月後には3人の死刑を求めて街頭で署名活動を実施。さらにネットでも活動を行った。
そしてわずか10日間で10万人以上もの賛同者を集めた。

判決

神田司 死刑 執行済み
堀慶末 死刑(本件では無期懲役だが別件で死刑判決)
川岸健治 無期懲役

神田は控訴せずに死刑を受け入れたが控訴した堀は無期懲役となっている。
堀は別件の殺人事件で死刑となっているが、本件では無期懲役である。
そして川岸は自首をした事で無期懲役となった。
3人の死刑を望んでいた遺族は無念である。
磯谷富美子さんの手記を一部抜粋して掲載する。

私はある日突然、見知らぬ3人の男達によって、たった一人の家族を惨殺され亡くしました。

娘は、何の落ち度も関係もないのに、31歳という若さで強制的に人生を閉じられ、夢や未来をすべて奪われてしまいました。

かたや罪を犯した者は、税金で三食食べさせてもらい、病気になれば診てもらえ、各々に三人の国選弁護人をつけてもらえ、あげくに好き勝手な言動でより以上に遺族の心を逆なでします。娘の最後の言葉に耳を貸さずに命を奪ったのに、自らの命は守ろうとして叶えてもらえます。

今私は、控訴審の判決を受け深く傷つき、この国の司法に社会正義が見いだせなくなり、失意の闇の中をさまよっています。被害者遺族の苦しみはより一層深まるばかりです。

全文はこちら犯罪被害者等の手記

神田の最期の言葉

「こうなることは分かっていました。被害者のお母さん、おばさん、付き合っていた彼、友人、会社の同僚に対して、命を以て償います。」

「島影」 堀慶末

名古屋拘置所

This website stores cookies on your computer. These cookies are used to provide a more personalized experience and to track your whereabouts around our website in compliance with the European General Data Protection Regulation. If you decide to to opt-out of any future tracking, a cookie will be setup in your browser to remember this choice for one year.

Accept or Deny