【北関東連続幼女誘拐殺人事件】足利事件 日本の冤罪事件。この事件の再審を認めたのは「逆転判決」を連発した退官間近の裁判官だった。時効を迎えても真犯人のDNAが付着している遺品を遺族に返さない検察。そしてジャーナリストが真犯人を特定するも逮捕されず…

【北関東連続幼女誘拐殺人事件】足利事件 日本の冤罪事件。この事件の再審を認めたのは「逆転判決」を連発した退官間近の裁判官だった。時効を迎えても真犯人のDNAが付着している遺品を遺族に返さない検察。そしてジャーナリストが真犯人を特定するも逮捕されず…

事件概要

この記事は北関東連続幼女誘拐殺人事件のうちの、足利事件についてまとめます。

発生日時1990年(平成2年)5月12日
発生場所栃木県足利市にあるパチンコ店の駐車場
内容パチンコ店の駐車場から女児が行方不明になり、
翌日の朝、渡良瀬川の河川敷で遺体となって発見された。
被害者松田真実ちゃん(当時4歳)
犯人不明とされているが、ジャーナリストが真犯人を特定したことで有名。
しかし逮捕はされていない。
備考この事件で逮捕された人物は後に冤罪が確定し釈放。真犯人は捕まらず時効を迎えた、未解決事件である。

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北関東連続幼女誘拐殺人事件とは

渡良瀬川河川敷

1979年(昭和54年)以降、5つの事件が栃木県と群馬県の県境、半径20km以内で発生。
これらの事件をまとめて「北関東連続幼女誘拐殺人事件」とされている。

周辺で起こった事件

1979年(昭和54年)8月3日(金曜)発生
5歳女児
栃木県足利市の八雲神社境内で行方不明になる
渡良瀬川近くで発見
リュックサック詰めで全裸のまま遺棄
※リュックサックは市内の業者の特殊仕様によるもので数十個しか売られていない
時効成立

1984年(昭和59年)11月17日(土曜)発生
5歳女児
栃木県足利市のパチンコ店で行方不明になる
自宅から1.7km離れた場所で発見
白骨死体
時効成立

1987年(昭和62年)9月15日(火曜、祝日)発生
8歳女児
群馬県太田市の公園に出掛けたまま行方不明になる
利根川河川敷で発見
白骨死体の一部
時効成立

1990年(平成2年)5月12日(土曜)発生…足利事件
4歳女児
栃木県足利市のパチンコ店で行方不明になる
渡良瀬川河川敷で発見
全裸のまま遺棄
時効成立

関連が疑われている事件

1996年(平成8年)7月7日(日曜)発生…ゆかりちゃん誘拐事件
4歳女児
群馬県太田市のパチンコ店で行方不明になる
現在も行方不明のまま
未解決事件※時効が廃止となったため

5事件の共通点

  • 被害者が4歳から8歳までの児童
  • 3事件でパチンコ店が行方不明の現場になっている
  • 3事件で河川敷で死体遺棄されている
  • 金曜・土曜・日曜・祝日に事件が発生している

事件発生

1990年(平成2年)5月12日(土曜)午後6時10分ころ
その日、真実ちゃんは父親とパチンコ屋に来ていた。
そして父親がパチンコをしている間にパチンコ店の駐車場で行方不明になる。
真美ちゃんの当時の服装は、赤いスカート白いシャツであった。

発見

翌日、渡良瀬川の河川敷で全裸のまま遺棄されているのを発見される。
渡良瀬川の川底から、真実ちゃんのスカートと精液が付着した半袖下着、2枚重ねのパンツが発見された。

冤罪の発生

逮捕

県警は、当時幼稚園バスの運転手で事件現場のパチンコ店の常連だった菅家利和さん(当時43歳)を疑った。しかし菅家さんを事件の半年後から1年間尾行したが、怪しい点はなかった。
その後県警は菅家さんのDNA鑑定を行い、犯人が残したDNAと型が一致したとした。

県警は菅谷さんを任意同行し深夜に及ぶ尋問を行った。
そして犯行を認める「自白」を引き出した。しかし、菅谷さんは一旦犯行を自供したものの一審公判中に自供を全面否認し、無実を訴えた。
その後菅谷さんは「現場にあった精液と私の精液が一致すると警察官に言われて自白した。」と話している。

DNA鑑定の精度

当時のDNA鑑定は別人で一致する可能性が1000人に1人、2人あるとされていた。
現在のDNA鑑定は別人で一致する可能性は4兆7000億人に1人というものなので、当時の鑑定の精度はかなり低いものであった。

事実と食い違う証言内容

菅谷さんがパチンコ店でマミちゃんに声をかけて、自転車で渡良瀬川に連れだし、荷台に乗せて土手を降りて犯行したとしていた。
しかし、その犯行の道順について遺体発見直後の警察犬の探索では、まったく異なる道順をたどったという。(供述した道順とは反対方向)。そして警察は、警察犬の探索報告は一切公判で明らかにしていない。

無かったことにされた目撃証言

事件発生の時間に現場付近にいた多数の人物が、赤いスカートを履いた真美ちゃんと歩く不審な男の姿を目撃している。
そして警察にも証言していて、さらに目撃者の数人はテレビ取材にも応じている。

目撃者の女性美術教師は近年になってもその時の光景をスケッチに描けるほど鮮明に記憶していて、実際に当時、警察にもスケッチを提示し、日本テレビの取材でも同じようなスケッチを提示している。

ゴルフ練習をしていた男性は目撃した男について「マンガのルパンみたいだった」と話している。

実際にこの目撃証言を裏付けるようにこの不審な男と被害者の女児が歩いていった先の中州で真美ちゃんの遺体が発見されている。

それに対し、菅家さんの自白内容にあった、被害者女児を自転車の荷台に乗せて土手を下る姿を見た証言は存在しない。

刑の確定

2000年7月17日 事件から9年後
無期懲役が確定した。

逮捕から17年での再鑑定結果

2002年12月25日 逮捕から11年後
裁判のやり直しを求めて再審を申し立て、強く再鑑定を求めるも宇都宮地方裁判所はDNA型再鑑定を行わず、再審請求を棄却した。

しかしその後、東京高等裁判所は再鑑定を行うことを決定
改めて鑑定することになる。

2009年5月8日 逮捕から17年後
鑑定結果は、菅家さんのDNA型と半袖下着に付着した犯人のDNA型は、「一致しない」というもので、菅家さんが犯人ではないということが科学的に明らかになった。

逆転判決連発の裁判官

再鑑定を行うことを決定した裁判官は、定年退官を目前に控え逆転判決を出し続けた福崎伸一郎元裁判官である。

釈放

2009年6月4日 逮捕から17年後
再鑑定の結果を受けて、検察官は裁判所の判断を待つことなく菅家さんを釈放。

検察・警察が被害者女児の遺品を遺族に返還しない問題

被害者の遺族が、真美ちゃんが着ていた赤いスカートやシャツなどの遺品の返還要求をした。
しかし検察は「赤いスカートなどはお返しするがシャツだけはこのまま預かりたい」と国の施設で冷凍保存したいと遺族に返答した。

シャツには真犯人のDNAが付着していたものだが、時効が成立した今となっては、刑事事件の証拠としては無価値である。真犯人の可能性が極めて高い人物が特定されているが、もはや警察は手出しできないにに、なぜ検察が保存するのか。

このシャツの鑑定をして真犯人が特定できれば、民事事件として証拠採用される可能性はある。
警察はこのシャツを証拠に「遺族が真犯人に民事で勝つことは阻止したい」との意見があるとの話もある。

真犯人は特定されている?

事件当日、真実ちゃんと河川敷を歩いている男が目撃されていた。警察も事情聴取を行い、調書も取っている。ある目撃者はその男をアニメの「ルパン三世」に似ていると証言した。清水さんはこの人物を特定し、警察や検察に多くの依頼をされた実績を持つ本田克也・筑波大教授に鑑定を頼んだ。結果は真犯人のDNA型と完全に一致した! 清水さんが最高検幹部に知らせると「これはそのまま犯人だよ」とため息をついた。捜査当局は一時、この人物の行動確認を行ったが、やがて完全に沈黙し、いまに至っている。そこには隠蔽する理由があったのだ。「ルパン」はいまなお現場周辺で暮らしている。
-清水潔『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』の書評、有田芳生氏より引用-

真犯人と関連が深いとされる事件

1996年(平成8年)7月7日(日曜)に発生した、「ゆかりちゃん誘拐事件」は時効が廃止になっているため現在も捜査をしているが、犯人の特定もできていない未解決事件だ。
ゆかりちゃん事件ではパチンコ店で犯人と思われる人物が防犯カメラに写っている。

パチンコ店店内においてゆかりちゃんに声をかけていた男
(身長158cm位|ニッカズボン様 | サンダル様|サングラス)」が、重要参考人として特定されている。
そしてこの男は、ルパン似だと言われている。