SMクラブ下克上殺人事件
- 2025.01.27
- 日本の事件
事件概要
| 発生日時 | 1995年(平成7年)12月21日 |
| 発生場所 | 東京都品川区東五反田のマンション902号室 |
| 内容 | SMクラブ「五反田パラダイス」の従業員が待遇面への不満から 店を乗っ取ろうと計画。 経営者と店長を殺害しコンクリート詰めにした、下剋上殺人事件。 |
| 被害者 | 経営者の橋口聖司さん(当時32歳) 店長の平賀聖浩さん(当時33歳) |
| 犯人と判決 | 主犯:陸田真志(当時25歳)双子の弟 死刑 共犯:陸田賢志(当時25歳)双子の兄 無期懲役 共犯:SMクラブ従業員 懲役15年 |
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五反田パラダイス


マンション内で営業していたSMクラブ
写真のマンションの902号室・907号室・602号室と
品川区や港区のマンションを借りて計6店舗の経営をしていた。
事件は907号室で起き、遺体は902号室に運ばれた。そしてその後コンクリート詰めにされる。

相関図と事件が起きるまで

経営者の橋口聖司さんについて

宮崎県生まれ
1988年年3月に慶応義塾大学経済学部を卒業。
住友不動産株式会社に入社するが1年で退職する。
風俗経営コンサルタントと知り合って、経営のノウハウを教わり片桐哲也の名前で「パラダイス」の経営を始めた。
橋口さんと陸田真志
陸田真志はインテリアデザインを学ぶためにアメリカに留学したが、同地で犯罪に加担し発覚したため平成6年9月に帰国。
1995年(平成7年)10月
スポーツ新聞の求人広告をきっかけに「パラダイス」で働き始める。
当時は従業員が少なかったため、橋口さんと陸田真志の2人で店を切り盛りしていた。そんな中、陸田真志は橋口さんに「売上げが伸びたら、それに応じて歩合を付けてやる。店が増えたらその店を任せてやろう。」などと言われていた。
陸田真志は自分なりに営業方法の工夫を凝らし、店舗も増えた。
それまで毎月600万円から800万円程度だった売上金額が1000万円を超えていた。
約束は果たされず・・・
橋口さんは「売上げが伸びたら、それに応じて歩合を付けてやる。店が増えたらその店を任せてやろう。」と言っていたにもかかわらず、陸田真志にわずかな一時金を与えただけだった。
さらに新しい店長となる平賀聖浩さんを雇い入れた。
陸田真志は橋口さんに「給料を引き上げたり店を持たせてほしい」と度々迫ったが聞き入れてもらえず不満を募らせていく。
平賀さんへの不満と疑い

陸田真志は平賀さんに対しても不満を募らせていく。
1)自分よりはるかに高い給料を得ていること
2)従業員らに対する態度が横柄であること
3)女性従業員に売春行為をさせて別料金を取ったり、売上金の一部を横領していると疑っていたこと
平賀さんの勝手な行いを橋口さんに告げたりしたが、橋口さんは陸田真志を相手にしなかった。
狂言強盗
1995年(平成7年)7月頃
パラダイスの従業員であるCと、その友人の3人で狂言強盗を行った。
売上金約90万円を取得して山分けし、陸田真志は40万円を手に入れた事がある。
3か月後の10月に、陸田真志は再度「店を持たせてくれる話はどうなったのか」と聞いた。
すると橋口さんは「嫌だったら辞めてもいい。」と答えたため、陸田真志は更に不満を募らせていく。
双子の兄、陸田賢志が働き始める
1995年(平成7年)10月下旬頃
陸田真志(弟)の誘いで、双子の兄である陸田賢志がパラダイスで働き始める。
賢志(兄)も店長である平賀さんと接するうちに態度に不満を持つようになった。
経営者の橋口さんとは接点がなかったが、真志(弟)の話を聞いて良い感情を持たなくなった。
独立を目指すが・・・
真志(弟)は橋口さんが一向に約束を果たさないため独立することを考え始める。
そして従業員らに独立話を持ち掛けるが資金調達の目途が立たなかった。
さらに資金調達ができたとしても橋口さんらに自分たちの店が潰されてしまうだろうと考え、断念。
パラダイスを乗っ取ろうか
独立を断念した真志(弟)は、パラダイスの乗っ取りを真剣に考え始める。
真志(弟)は賢志(兄)に、橋口さんを殺害してパラダイスを乗っ取る計画を持ち掛けるが、
あまり乗り気ではなかった賢志(兄)を説得し承諾させた。
体格の良い橋口さんと平賀さんを殺して死体を見つからない場所に捨てるのを兄弟2人だけでやり遂げるのは難しいため、従業員Aに手伝いを頼んだが、断られてしまった。
そこで従業員Bに話を持ちかけ、加担の承諾を得た。

そして事件は起こった
平賀さん殺害
1995年(平成7年)12月21日
マンションの907号室で夜勤明けの平賀さんが熟睡していたため、真志(弟)は殺害を決意。
602号室で勤務していた賢志(兄)を呼びに行き、2人で平賀さんの頭をハンマーで数回殴打し、胸部をバタフライナイフで数回突き刺し殺害した。
殺害後、賢志(兄)は、気分が悪くなって602号室にいったん戻っている。
真志(弟)は、その後出勤して来た従業員Bに平賀さんを殺したことを話し、2人で死体を布団袋に入れて902号室に運び込んだ。
そして賢志(兄)を呼んで、3人で死体をユニットバス内に入れた。
その後、賢志(兄)は再び602号室に戻り、真志(弟)と従業員Bは殺害現場である907号室に戻った。
橋口さん殺害
1995年(平成7年)12月21日 夕方5時ごろ
真志(弟)と従業員Bは、橋口さんを呼び出すため殺害現場を掃除した。
そして準備が整うと橋口さんの携帯電話に「可愛い女の子がアルバイトの面接に来ている。」と嘘の電話を掛け、呼び出した。
橋口さんを待っている間、真志(弟)は、602号室でSMクラブの業務に就いていた賢志(兄)に殺害を手伝うよう頼んだが、「すまんけどできそうもないんで勘弁してくれ。」と断られた。
真志(弟)は了承し、従業員Bと2人で行うことにした。
橋口さんが907号室に入ってきてすぐに真志(弟)が頭部をハンマーで殴打。
バタフライナイフで背中を突き刺し、紐で首を絞めた。
その間従業員Bが橋口さんの身体を押さえ加勢し、殺害した。
その後2人は、橋口さんの財布から2万円をとり、残りの現金をレジに入れた。
隠ぺい工作
真志(弟)は橋口さんを殺害後、当日パラダイスで勤務する予定の従業員らが907号室に来ることがないようにするため、都合で休業するので出勤しないように電話をした。
賢志(兄)は、「改装中につき立入り禁止」と書いた貼り紙を扉外側に貼りつけた。
ベンツ二台と金品で死体処分を依頼
真志(弟)は死体の処理を暴力団の男ら3名に依頼。
現金やベンツ2台の1000万円相当を報酬とした。
そして遺体をコンクリート詰めにし茨城県の海に遺棄した。

乗っ取ってから
4000万円を引き出し
真志(弟)は橋口さんの通帳から約4000万円を引き出した。
1996年(平成8年)8月に逮捕されるまでの、数カ月間
真志(弟)が中心となってパラダイスの営業を続けて多額の収益を得た。
現金約5000万円を賢志(兄)が居住していたマンションの居室に保管していた。
賢志(兄)はパラダイス乗っ取りの成功報酬として150万円を受け取ったほか、給料の額を上げてもらっていた。
事件の発覚
経営者の橋口さんの両親が、橋口さんと連絡が取れないことで警察に通報。
事件が発覚した。

判決
主犯:陸田真志(当時25歳)双子の弟 死刑
共犯:陸田賢志(当時25歳)双子の兄 無期懲役
共犯:SMクラブ従業員 懲役15年
主犯、陸田真志の書籍
陸田真志は獄中で読んだ池田晶子氏の著書「さよならソクラテス」に感銘を受け哲学に目覚めた。
犯した罪の重さに気づき、裁判でも遺族に反省の弁を述べている。
そして作家の池田晶子氏との往復書簡を本にし出版した。
池田氏との関係

睦田は控訴せずに死刑判決を受け入れようとしていたが、池田氏は自分と十分な対話をしたあと「天命を全うしてから、死んで下さい」「人を殺しておいて、そのうえ、かっこよく死んでやろうなんて、考えが甘すぎます」と伝え、陸田は控訴をしている。
池田氏は2007年2月23日、腎臓がんのため、陸田よりも1年先に亡くなる。46歳だった。
書籍のレビューに元従業員?
出版した書籍「死と生きる」のレビューに「五反田パラダイス」の元従業員で、陸田から社長殺害の共謀を持ち掛けられたという人物のレビューがある。この方は、上の相関図にでてきた従業員Aなのか。

今だから言えますが・・・
私、この陸田 真志さんと五反田の風俗店で働いていました
この人が殺した白石さんと片桐さんの事も知っています、この人の共犯者である弟さんの事も知っています。
犯行当時、この人は覚醒剤をやっていた可能性が高いです。一緒に働いていて狂気を感じました。
「とある会社の社長を殺害して、その会社を乗っ取ろうと計画している」と、この人に誘われ、この人と目を合わせて数十秒見つめ合った記憶があります。
私はこの人がハッタリでそのような事を言っていると思ったのです。
私が「今の話は聞かなかった事にしておきますよ・・・」と言って断ったら次の日から執拗な虐めが始まりました。
それが原因で私はこの店「五反田パラダイス」をバックれましたが、その数ヶ月後にテレビのワイドショーで社長の片桐と店長の白石が殺された事を知ったのです。死刑を執行されるような人間はこの様な人間なのです、私は何も知らずに、うわべだけの正義で死刑廃止を訴える人間を軽蔑します。
真志(弟)最期の言葉
2008年6月17日
東京拘置所において真志(弟)の死刑が執行された。
最期の言葉は
「池田晶子さんのところに行けるのはこの上もない幸せです」
であった。
また、同日には「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」の宮崎勤も刑が執行された。
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